エッセイで求められるリーダーシップスタイル
MBAは将来のビジネスリーダーの育成を一つの目的としており、リーダーシップは避けて通れません。今回は、心理学者のKurt Lewinsiの4つのリーダーシップスタイルを紹介します。
それぞれのスタイルには、メリット・デメリットがあり、エッセイでリーダシップを表現する際、役立つかもしれません。
あなたがよく使うリーダーシップスタイルはどれですか?仕事の課題に対して、上司・部下・同僚が異なるリーダーシップスタイルを用いたとき、どのように対応しましたか?、そしてその結果から何を学びましたか?
独裁的(Autocratic) リーダーシップ
上司が独断で意思決定を行い、部下への共有や相談はほぼ無い
<メリット>
- 意思決定が早くなる
- 部下は、上司が状況を常に把握してくれていると感じ、モチベーションが上がる場合もある
- 仕事が失敗した場合も上司が責任を負うため、部下のストレスが少ない
<デメリット>
- 上司・部下のコミュニケーションが乏しく、部下が不満を持つ
- 過度な干渉・指示は恐怖を生み出し、組織が機能不全になる
- 上司が業界の最新動向を把握していないとビジネスチャンスを逃す
- 意思決定に柔軟性がなく長期目標の達成には不向き
- 一方通行のコミュニケーションのため、誤解が生じやすい
<適した状況>
- 素早い意思決定が求められる状況、例えば、短期間での事業再建(ターンアラウンド)M/span>
- 敵が攻めて来るというような軍事的緊張状態
- 不測の事態に遭遇し、業務フローを急遽立て直す必要がある場合
欧米のリーダーシップは、トップダウンでグイグイ仕事を進めていくイメージがありますが、そのスタイルはデメリットもあり、日常的に独裁的な意思決定を行う上司は好まれません。
一方で、組織が危機的状況に陥った際、果敢に問題に取り組み、自身で判断し、その責任をとることがリーダーには求められます。
民主的(Democratic)リーダーシップ
例えば、チーム内で活発に意見交換が行える。リーダーの役割は議論を取りまとめ、最終的な意思決定を下すこと。
<メリット>
- 意思決定上の致命的な失敗を回避できる
- チームメンバーが意思決定に関われるためチームの雰囲気は良い
- 各メンバーが力を発揮でき、チーム全体のパフォーマンスが上がる
<デメリット>
- 意思決定が遅い
- 部下への依存度が高い
- 協調的な組織運営を維持する(体裁を保つ)ための負担が増え、本質的な課題への取り組みを行わない/先送りする
<適した状況>
- 部下が専門知識を持つ場合
仕事では、このリーダーシップスタイルをとる方も多いとは思いますが、調整的な役割はエッセイにしたときにインパクトが低く、独裁的/変革的なリーダーシップ要素を入れたほうがいいですね
変革的(Transformation)リーダーシップ
高いゴールを掲げると同時に部下をサポートする。人生観や仕事観に対するビジョンを継続的に発信し、情熱的にチームを導くリーダーシップスタイル。
<メリット>
- 短期・長期のバランスのとれたゴール設定が可能
- 上司と部下の間に強い信頼関係が生まれる
- 長期的戦略に基づくコミュニケーションが行われ、部下のモチベーションも上がる
<デメリット>
- 十分な信頼関係が構築できていない状況では非効率
- リーダーが細部への落とし込みは苦手な場合もある
<適した状況>
- 部下との信頼関係が十分に醸成されている環境
- 緊急的な課題に対処する状況ではない場合
大きな方向性を示し、周囲をモチベートし、チームとして結果を出すという要素はエッセイには必要ですね。
放任的(Laissez-faire)リーダーシップ
リーダーがリードするのではなく、部下が率先して取り組むスタイル。ゴールの設定、問題の解決、意思決定は部下に委ねられる。成功の鍵は強いチームを組成し、任せることにある。リーダーがリーダーシップを発揮しているか分かりにくい。
<メリット>
- 部下に責任感を持たせることができる
- 問題が起きた場合でも、早いタイミングで軌道修正ができる
- 部下のやる気が維持され、離職率が低くなる
<デメリット>
- 説明責任(accountability)の欠如
- リーダーからの適切な支援がない場合、部下がストレスを感じる(丸投げ状態)
- チーム内の統制が行き届いておらず、期日を守れない可能性がある
<適した状況>
- 部下が専門性が高くクリエイティブな職種である場合
- 部下の能力が非常に高い場合
- チームの士気が旺盛で、ゴール達成のコミットが高い場合
このタイプのリーダシップはあまりエッセイでは使えないですね。
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ソース
以下、YouTubeの1分00秒から13分40秒あたりの要約となります。