MBAサンプルエッセイ【困難な選択】
UCバークレー合格者のサンプルエッセイとなります。
困難な状況に直面したとき、何を考え、どう行動したかを具体的に書くことで、自分のリーダシップスタイルを伝えています。
スキルは高いがモチベーションが低くチームに貢献しない部下がいたら、あなたはどう対処しますか?
第一パラグラフ:シチュエーション設定
私の最も困難な経験は、会社のVice Presidentを務めていたとき、2年間一緒に働いてきた経験豊富なジェーンをクビにするかどうかの判断をしなければならないときだった。ある日、当社に新しいCEOが就任し、私もそれに伴いVice Presidentに昇進し、多くの従業員を管理する立場になった。そのとき、新CEOと私は2年間でこの小さな会社の売上を50%増やし、リーディングリサーチファームに育てようと誓った。その目標の実現には、努力を惜しまず頑張るチーム作りが必要不可欠であった。
第二パラグラフ:ジェーンの人柄
この目標にジェーンはそぐわなかった。ジェーンは残業続きの大手企業を辞め、この会社に転職してきた。ジェーンは当社のゆったり自分のペースで仕事ができ、和気あいあいとした当社の雰囲気が気に入って入社してきた。しかし、CEOと私が変えたかったのは、まさにその雰囲気だった。ジェーンは能力こそ高いが最低限の仕事しかせず、私たちの目標にもコミットしなかった。
第三パラグラフ:問題に対する主人公の考えークビにするデメリット
私は困難な判断に迫られた。この時、当社はジェーン以外、経験の浅い従業員ばかりだったので、そんな状況でジェーンをクビにすることは、会社にとって逆戻りだ(実際、事業拡大を目的に経験のある人材を登用してきた)。また、ジェーンをクビにすることで、良好だった大口顧客との関係が崩れたり、ジェーンが持っている専門的な知識やノウハウを失うことにもなる。
第四パラグラフ:問題に対する主人公の考えークビにしないことのデメリット
一方、クビにしなければ、社内のダブルスタンダードを容認することになる。ジェーンからは、会社の目標に貢献するという意識が全く感じられず、他の社員が遅くまで残業する中、定時で仕事を切り上げ、さっさと帰っていく。そんな彼女の存在は次第に社内にマイナスの雰囲気を作り出していき、既に何人かの従業員から不満の声が聞こえ始めていた。
第五パラグラフ:主人公のアクション
この問題を解決するため、私はジェーンに会社の目標に貢献することや、現在の彼女の勤務態度を改めることを話し合い続けた。彼女の意見も取り入れた上で、ボーナス制度を見直し、貢献度に見合って賞与を上乗せることにした。しかし、私のさまざまな試みが失敗に終わったとき、私は最終決定を迫られることとなった。
第六パラグラフ:主人公の判断と倫理観
私はジェーンをクビにした。短期的には事業運営が困難になることは明白であったが、それ以外に方法がなかった。目標に向けて努力を惜しまず取り組むチームが重要なのだ。ジェーンをこのまま重要部門の責任者にしておけば、長期的に悪影響を及ぼしたであろう。
第七パラグラフ:主人公の人間味・判断の結果
人をクビにする判断というのは個人的につらい。それが共に長く働いてきた仲間だとしたら尚のこと。一方、チーム作りという観点から見ると、状況は大きく改善し、私達は良いチームを作ることができた。ジェーンの後任のマネージャーはモチベーションが高く、我々が掲げた野心的な目標を達成することができた。実際、2年でチームの業務処理能力を2倍に引き上げ、サービス品質を改善し、顧客満足度の向上を実現させた。
エッセイで伝えていること
このエッセイは、意欲的に会社を伸ばそうとする主人公がモチベーションの低い社員に苦悩するストーリーです。このストーリーで以下の内容が伝わってきます。
- 高い目標を掲げ、チームを率いるリーダーシップがあること
- ビジネス上の問題に対して多面的な評価を行える分析力があること
- 事態が行き詰まった際にも、局面打開に向け自己の責任で意思決定を行う能力があること
- 仕事に対する情熱と高い倫理観を備え、長期的視野で意思決定ができること
- 厳しい判断の中で垣間見る人間味(苦悩や情け)
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実際のYouTubeはこちらです。サンプルエッセイは、11分10秒から13分50秒あたりになります。