TOP10の元Admissionに聞いてみました

トップ10校の元Admission Committeeメンバーと話す機会がありました。MBAの選考プロセス、留学生の印象、1stと2ndの合格率の違いについて聞いてみました。

あなたがいたMBAプログラムの選考プロセスを教えてもらえますか?

MBAプログラムによって違うので私の学校に限った話となりますが、最初に一人の選考員が提出書類一式をレビューします。その後、別の選考員が同じように申請書一式をレビューします。

少なくとも二人の選考員のレビューを経て、この出願者を面接するかどうかを決めます。面接に呼ばれない方はここで落とします。

面接を実施し、面接の評価を入手します。もう一度、申請書一式と面接結果をレビューし、Admission Committeeに報告します。その後、合否やWLが決まります。

一人の審査員がレビューする件数は時期にもよりますね。私の学校では選考員が面接と出願書類のレビューの両方を担当していました。

一人の出願書類のレビューに10分〜20分くらい費やしていたと思います。レビュー後、評価や結果をフォームに記入しないといけません。一日、20人〜30人レビューできればいいほうかと思います。

留学生の出願書類をレビューしたことがありますか?何かフィードバックはありますか?

私は一時、インドの出願者をまとめて審査するグループにいました。インドからの出願者はとても多く、英語も上手でした。GMATやGPAが高い優秀な人も沢山いました。

受験者の中には、GMATが高スコアだったから同校に出願してきているのが明らかな方もいました。そのような方は他のトップスクールにも出願しているので、エッセイで当校がなぜフィットするか具体的な説明がないのです。

チームワークが大事、企業戦略、交渉術を学びたいなど一般的な内容ではなく、その学校のプログラムの特徴を踏まえ、学校への志望動機を書かないといけません。

我々は具体性を欠くエッセイを簡単に特定できたので、それらの出願者は簡単に落とせました。

TOP校レベルになると出願者が多く、効率よく落とすことが仕事になっている印象を受けました。その一つの手段として、エッセイで具体的にその学校の特徴をとらえているかを見ているようです。

留学生のエッセイは英文よりもコンテンツが大事です。エッセイ課題に正確に回答していないこともありました。エッセイの質問にコンテンツがしっかり回答しているか意識して下さい。

ここは少しケーススタディでエッセイ課題にきっちり回答することについて考えてみたいと思います。以下、2021-22のWhartonとCornelのエッセイ課題になります。

<Wharton>

Taking into consideration your background – personal, professional, and/or academic – how do you plan to make specific, meaningful contributions to the Wharton community?

<Cornel>

At Cornell, our students and alumni share a desire to positively impact the organizations and communities they serve. Taking into consideration your background, how do you intend to make a meaningful impact on an elite MBA community?

「あなたの貢献」に関するエッセイ課題ですが、質問の内容が違っており、回答や構成は必然的に変わります。

Whartonは「contribution」、Cornelは「impact」という言葉を使っています。Contributionは受け手が実質的なメリットを受けている印象があります。Impactは、影響は与えるが受け手がどう感じるかは相手任せです。

つまりWhartonは実質的/具体的な貢献を求めているのに対して、Cornelは出願者が与えたい影響を書かせています。Whartonが”plan to make”と”specific”という言葉を意図的に入れ、実効性と具体性をより求めています。

逆にCornelは”our students share a desire”とわざわざ記述しているように、インパクトを与えることに情熱(パッション)がある学生が同校にフィットすると匂わせています。必然的に過去、自分がどのようなことにパッションを感じ、周囲にインパクトを与えてきたかを書き、説得力をつける必要があるでしょう。

Whartonのエッセイ課題ではパッションは直接求められていません。(もちろん、あったほうがベターですが、)実数制限がある中、パッションに字数を割くなら実質性/具体性を強調してみるという戦略的判断もあります。

Admissionはエッセイを大量に読むので、回答が同校の質問にしっかり回答しているか?他校のエッセイをテキトーにアレンジした回答は感じ取ってしまうので、このあたりは繊細に対応する必要があります。

1st Roundと2nd Roundで合否に違いがありますか?

私の学校に限っていえば、1st Roundの合格率は少し高いです。

1st Roundでは合格枠が全く埋まっておらず、2ndでは既に同じバックグランドの方が合格してしまっていたりして枠が無くなる場合もありますから。

出願書類のクオリティは2nd Roundのほうが少し高いです。

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